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当事者が語る不登校② 保健室登校をしたアカネ

当事者が語る不登校② 保健室登校をしたアカネ


 簡単に休む子どもはいない!


 アカネは、どちらかというと活発な女の子で、交友関係も広かった。何にでも興味を示し、読書も好んでしていた。アカネの行き渋りが始まったのは、小学
4年生の頃である。その時の担任はとても優しくて、アカネに無理をさせることは決してしなかった。また、休む日があったり、行き渋りの日があると家庭訪問をしながら、アカネとの関係を繋ごうとしていたという。

 小学5年生になると、本格的な不登校は始まった。朝起こしても布団から出れなくなった。その頃のアカネは、両親に対して学校の不満を口にしていた。「どうして、先生は絵の描き方をいろいろ指図するの?」「どうして、運動会の行進の練習を何回も何回もさせるの。」「なんでマラソン大会とかあるの?」

 アカネの欠席が続いたが、担任は家庭訪問をしてくることはなかった。電話連絡もなかった。そのことが、アカネと母親の不安をもっと大きくした。

 母親は、担任の訪問を待っているわが子の様子を見ながら、何もしてこない学校(担任)の対応にいらだちを覚えたという。

 子どもの様子と親の思い(願い)を学校に伝えると、夕方に、担任が家庭訪問をしてきた。アカネに会った後、担任が母親に言った言葉は...。

担任「お母さん、あまり簡単に学校を休ませると(学校を休むのが)癖になるので、朝は頑張って起こすようにして下さい。」

母親「先生、アカネは簡単に学校を休んでいませんよ。毎朝、アカネは布団の中で苦しんでいます。先生は、朝のアカネの様子を見ていないから、そんなことが言えるんです。もっと、子どもの様子をしっかり見て下さい。」

 その日を境に、母親の学校へのこだわりはなくなったと言う。母親の学校へのこだわりがなくなると、アカネは気持ちが楽になった。

 小学6年生になると、アカネは自分の体調と相談しながら学校と付き合っていった。きつい時は遅れて登校し、がんばれそうにない時は思い切って学校を休んだ。休んだ時は、好きなマンガを読みながら1日を過ごした。


 なぜ保健室登校をしたか

 中学校に入学したアカネは、生き生きと中学校生活を過ごした。仲の良い友達とも同じクラスになり、学校生活を楽しく過ごしていた。部活動で悩むこともあったが、転部をすることで解決をした。

 中学2年生になると、クラスの数人に嫌がらせを受けるようになった。

「技術の実習の時間に、私の背中にポンポンと何かが当たるなあ...と思ったから、後ろを見たら、Cちゃんがカンナくずを投げつけてにらんでいた。怖かった...。」

「私が友だちと話をしてたら、じっと睨んでくる。怖かった...。」

と、当時のことを振り返った。

 アカネは、その頃からしだいに学校に行けなくなった。学校に行けなくなると、小学校時代の不登校のことが重なってきたという。「もし、あの時みたいに行けなくなったらどうしよう。」「中学校を不登校で過ごすと、高校に行くことができないかもしれない。」と不安に襲われた。

 「明日は、学校に行こう。」と思い準備をする。しかし、次の日の朝は、体が重くて動けなかった。登校できた日は、「なんで、昨日休んだん?」とクラスメイトに聞かれるのが怖くて、教室に入るのに勇気がいったらしい。

 2学期が始まると、ほとんど登校できなくなった。登校できなくなったアカネに両親は何も言わなかった。「小中学校は義務教育だから、その義務をはたしていない私は、ダメな人間だ。」と思い込んでいるアカネに、父親は「子どもが学びたいと思ったら、それを保障する義務が大人や社会にある。子どもには学校に行かなくてはいけない義務なんてない。学校に行くのは権利なんだよ。だから、逆に学校を休む権利もある。」と伝えた。

 運動会が終わった後、両親は「アカネが楽しみにしているのは部活でしょ。アカネが望むのなら、部活だけ行けるように先生にお願いしようか。」と話をした。「教室に行っていない自分が部活だけをするのは...。」と、うしろめたい気がしたアカネだが、部活動には参加したいという思いが強く、放課後になると母親の車で登校した。

 学校長も「子どもには一人ひとり成長の仕方に違いがある。その子々々に応じた指導をしていきましょう。」と全職員に話をし、担任と部活動の顧問の協力もあり、アカネは放課後の部活動にだけ参加をすることが認められた。

 しかし、部活動の始まる時刻は、日によってまちまちである。タイミングを逃すことが数日続くと、アカネは「保健室登校をする」と言い始めた。同じ部のA子が「保健室まで誘いに行ってあげる」と言ってくれたのがきっかけである。

「A子って優しいよ。毎日私を誘ってくれた。忘れることは絶対になかった。用事がある時は、保健室まで来て『今日は、私は用事があるから、〇ちゃんが誘いに来るけえ』ってわざわざ言いに来るんよ。」

 そのうち、B子も誘いに来てくれるようになった。「B子は、お笑いが好きやったから、私と話が合う。お笑いのことをいろいろ話したなあ...。」

 毎日、部活動の前に保健室登校をしていると、アカネの心の中に「みんなは教室で勉強している。私だけ、保健室で何もしないのは悪い。」という思いが膨らんだ。少し早めに保健室登校をして、勉強も始めた。一人でいる保健室は、暇で時間を持て余す。1日の時間を自分なりに計画を立てて、勉強をするのも悪くないということらしい。保健室にいる時間が長くなると、友だちが遊びに来てくれた。すると、友だちとの時間が楽しくなり、もう少し早い時間に保健室登校をするようになった。いつの間にか、アカネの保健室登校は、朝の学活の時刻になっていった。朝の玄関に入る時は、「誰かに会うと嫌だなあ。」ととても緊張したが、放課後の部活動のために勇気を出した。


 「部活をしたい」「友だちに会いたい」と学校が「〇〇したい」という世界になった時、保健室登校はアカネにとって必要な登校となった。


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