親の手記

命と学校…どっちが大事?

不登校に・・・

うちの息子は、今、小学校4年生です。2年の三学期から1週間に1回、2回と休みがちになり、アッという間に、学校にいけなくなりました。

原因は、担任の先生とうまくいかなかったことでした。それが、はじめは、はっきりわからなかったものですから、無理矢理、朝起こして、ひっぱって車でつれていっていました。泣きさけぶわが子をみながら、鬼のようになって、先生にひきわたす毎日・・・。今、おもえば、すごい事をしたなあと反省しています。

息子は、先生が、いやだという事を一言も、私にいいませんでした。そのかわりに、他の方からの情報が不登校になったとたん、いろいろ耳にはいってきました。

きっかけは・・・

2年の担任は、とにかく、みんなAでなくてはいけない人でした。勉強もスポーツも・・・・・。みんなより遅れてはいけない、ましてや、宿題をしないとかはもってのほか・・・。2年生にしては、とにかく、毎日、宿題だらけで・・・。うちは、自営業をしていますので、彼に、勉強を教える時間が、夜、9時ぐらいからで、とうてい不可能でした。途中で、私も疲れて、無理にさせませんでした。ところが、宿題を毎日していかないのは、うちの息子だけだったようで・・・。親には、なんの連絡もなく、一人で学校に残ってさせられたり、休み時間なしでやらせていたようです。そこで、彼は、完全に勉強ぎらいになってしまいました。

「体育は」といえば、息子は生まれる時に、左手の神経を先生がひっぱってきってしまい、その後、リハビリを続けたのですが、まだ障害が残っていて、どうしても、できないものがあるのです。たとえば、なわとびやてつぼうなど・・・。それを担任には、いっておいたのですが、それも完全に忘れてしまっていたようで、みんなの前でやらせていたようです。それで、運動もきらいになりました。

結局この先生のおかげで、あんなに友だちと学校で遊ぶことが大好きだった子が、みるみる変わってしまいました。自分はダメな子と思っていったのでしょう。

彼が、教室に入れなくなった頃、給食の時間、教室で他の子と先生が食べているのを、息子は、じっと一人で外からみていたそうです。また、それをみていた他のクラスの先生が、このままでは学校にこなくなると、うすうすわかっていたといわれました。その時、完全に私の心はきまりました。もう学校にいく必要などないと・・・。

それで、2年のおわりは、私のほうからいくことをやめさせました。さすがにこの時は、本当にくやしかったし、学校に対する不信感でいっぱいになりました。

私がイライラしました・・・

そして、3年になって、学校側の配慮で、新しい担任も、とてもいい先生になり、おまけにもう一人クラスをうけもたないA先生もつけてくれて、スタートしました。はじめは、3年になれば、先生もかわるし、誰もが、すぐいけるようになると、思っていました。ところが、そんなものではありませんでした。

はじめは、朝、私と車にのっていっしょにいったのですが、学校に着くと車からおりない。毎日、2時間ほど二人で車の中の生活でした。そのあと、やっとおりて、A先生と玄関で、ボール遊びをしたりする生活、息子が帰っていいよというまで、帰れない・・・仕事は気になるし、イライラしてましたネェ。

そのあとは、朝、起きてこなくなりました。それで、先生が、むかえにきてくれるようになりましたが、うまくいきませんでしたネ。結局、あまり進歩もないまま、3年はアッという間におわってしまいました。

ただ一つ、この一年間でやっと彼も、A先生だけはうけいれるようになりました。今では友達のように、話をしていますし、その先生がくるのを、毎日待っています。

明るくなった・・・

4年生になり、担任もかわりましたが、引き続き、A先生、理科の先生、それに5月より、もう一人若い先生が、本校にきてくれるようになりました。なぜか、今年は、彼もその先生たちを受けいれるようになり、今は、海、山、川などにいって、いろいろな生き物をみつけてきては、理科室で研究したりしています。あいかわらず、教室の中に入ることはできませんが、なんとなく顔つきが、明るくなったように思います。 

うちの息子は、先天性の心臓病でうまれてすぐに大きな手術をしています。その時にもう助からないかもしれないといわれて、ここまで、生きてこられました。一生病気とつきあっていかなければならないし、もしかしたら又、もう一度手術ということもあるかもしれないと、先生にいわれています。だから勉強ができなくてはならない。みんなとおなじでなくてはならないとはおもいません。

私が前、校長に、「子どもは、元気で生きていてくれれば、いいのではないでしょうか」といったら、「でもネ、おかあさん、勉強は・・・」とかいわれて、結局わかってもらえませんでしたが・・・。それは、経験しないとわからないのかもしれませんネ。

今、生きていてくれること・・・

まだ彼の心の中は、まったくわかりませんが、私自身おちこむと、「命と学校 どっちが、大事!?」と考えるようにしています。きっと道は開かれると信じて、息子を見まもっていくしかありません。今、生きていてくれる事が、私にとって一番うれしい事なのです。

結局、小学生の場合、学校となかなかはなれられないのが事実です。家の中に毎日いても、しばらくの間は、よかったのですが、やっぱり一年たつとあきてしまうようです。友だちともあそべないし、ゲームもあきたし、というかんじで・・・。

今、私は、学校の先生にお願いできることは、いろいろやってもらっています。わかってくれる先生も中にはいます。その人たちと、いろいろ失敗しながら、なんとかやっていっています。私が努力している事といえば、極力いろんな会に参加して、自分が元気になることです。もう、息子の為にがんばろうと思うことはやめました。

私は親の会に入っているのですが、今、小学生の方がいません。よかったら、例会のほうにも遊びにきて下さい。ここには、大ベテランのとてもやさしい先輩方がいらっしゃいますので、とても元気になれますヨ。お待ちしております。