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私と保健室登校

    私と保健室登校

                              アカネ(当時中学3年生)

 

 

 私は、中学2年生の半分を教室に行かないで、保健室で過ごしていました。「保健室登校」をしていたのですが、いじめ等の具体的な理由はなく、なんとなく教室に行けなかったのです。ちょっとした嫌がらせはあったのですが、それが理由だとは思えません。だから、なぜ教室に行くことができなかったのかは、今になっても私にもわかりません。私がわからないのに、「他の人にわかってくれ」というのは無理な話で、周りの人から「怠けている」と言われてもしょうがない状況でした。

 しかし、父も母も「教室に行け」とは一言も言いませんでした。父が不登校について詳しいので、いつか相談をしたことがありましたが、父は「無理をして行くより、行けない時は休む方が必要だ。」と言ってくれました。そして、休むことが、私の人権を守ることにつながるという事も教えてくれました。

 この時、不思議に思ったのは、「私の人権を守る」ということです。なぜなら、今までに勉強してきた人権は、もっと大きいものだったからです。人種差別・部落差別など生まれ持った変えようのないもので差別されることや、いじめのような他人から不当な扱いを受けることなどから人を守るのが人権だと思っていました。だから、学校に行くことができない私を守る小さな人権があったことに驚き、そして、嬉しく思いました。「学校は行かなくてはならない義務があるのではなくて、学校に行くのは権利である」「私には、学校に行く権利も学校を休む権利もある」ということを知ったおかげで、休みながらゆっくりと自分と向き合うことができました。

 私は、朝から学校に行くことはしませんでしたが、午後の授業が終わる頃やみんなが朝の学活をしている時間に保健室に行きました。保健室登校を選んだのには二つの理由があります。

 一つ目は、学校にさえ行けなくなるのが怖かったからです。

 二つ目は、部活がしたかったからでした。みんなに置いていかれるのは嫌だったし、何よりも、先輩や後輩と過ごす時間が、とても好きだったので、どうしても部活に出たかったのです。

 でも、部活に行くのは大変でした。同じ部の人たちは、わかってくれていたけど、他の部の人の目がすごく気になりました。そのことを友だちに相談すると、「放課後、保健室に迎えに行く。」と言ってくれました。それから毎日、彼女は一日も忘れずに保健室に来てくれました。彼女に用事のある時は、他の友だちに頼んで、わざわざそのことを伝えに来てくれていました。

 昼休みには、彼女と話すようになり、教室がある階にも上がれるようになりました。廊下で会えば、同じクラスの仲の良い人とも話すことができました。それでも、教室に行けない私に、彼女は決して「なぜ、教室に行かないのか。」と聞きませんでした。私が、困りきるのがわかっていたのだと思います。その優しさが、とても嬉しかったです。

 彼女とはたくさんの話をしました。部活の話・同級生の話・二人が好きな漫画の話・テストの前は勉強の話...。テストの前は、授業のノートを借りて写させてもらっていましたが、いつも嫌な顔一つせずに貸してくれたので、頼み易く、授業の内容を理解していないままテストを受けることはありませんでした。

 彼女には、たくさん助けられました。彼女がいなければ、今の私はいなかったと思います。それは、父や母、先生、他の友達も一緒だけど、やっぱり私を一番支えてくれたのは彼女でした。

 私は、保健室登校を経験して良かったと思っています。それは、以前の私では気づけなかったと思う「本当の人の優しさ」に気づくことができたからです。

 

 

アカネの手記から見えてくる「不登校」の支援のポイント

1.      学校に行けないことから気にしている周りの「まなざし」から守るために、まず、保護者が「今学校に行かないこと(不登校)は、アカネにとって必要なこと」というとらえ方をする。

2.      「どうすれば学校に行くか」ではなくて「今したいこと」を一緒に探し、その実現の方法を共に考える。

3.      勉強のことは、子どもが気になった時に支援をする。

4.      教室に行く際の最も大きな支えは、一緒にいて安心できる友だち。少しずつ教室に近づけて慣れさせることではない。

 


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