親の手記

「心配」するけど「信頼」もする

石田 洋子(仮名)

手記

息子が不登校になったのは、高校入学後のすぐのことでした。いじめが原因です。しばらくは、何とか頑張って登校していましたが、だんだんと行けなくなりました。

 私は、混乱しました。中学校まではあんなに楽しそうに通っていたのに、なぜ行けないのか、育て方が間違っていたのか、息子が弱いのか、原因は何だろうか…。カウンセリングを受けたり、本を読んだり、ネットで調べたり、とにかく何かヒントになるものはないかと探しました。

 その中で出会ったのが、星の会です。たまたま兄弟が持ち帰ったチラシと、相談した知人からの紹介もあり、勇気を出して電話をしてみました。初めて参加した例会で、息子の状況や私の思いを吐き出すように話したのを覚えています。

 それから一か月に2回、例会で話を聴いてもらうようになりました。アドバイスをいただいたり、参加者の体験談を聴かせてもらう中で、息子の気持ちを少しずつ理解することができました。

 参加した後は、私ももう少し頑張って寄り添っていこうと、穏やかな気持ちで家に戻ることができました。いつもより少し余裕をもって、息子と接することができたと思います。

 とはいえ、息子の不登校は地獄です。今まで生きてきた中で、これほどまでに苦しんだことはありませんでした。無力でした。私にできることは、美味しいご飯をつくること、話を聴いてあげることくらいでした。あとは、どんな小さな選択でも、息子本人が自分の意思で決めるようにと心がけました。そして、息子がしたいと言うことは、可能な限りさせるようにしました。当時は、本当にこれでよいのかと不安もありました。最近になって、息子が

「あの頃、好きなことをさせてくれたのは、本当にありがたかった」

と話していたので、良かったのだと思います。これも、例会でのアドバイスのおかげです。

 3年が経ち、息子は転校した通信制の高校を無事に卒業することができました。大学進学をめざしていますが、失ったものも大きく、これからどうなるのかはやはり不安です。つらい出来事を乗り越えて、自立してくれる日が来ることを願うばかりです。これまで何とか心を保ててこれたのは、星の会に出会ったおかげだと本当に感謝しています。

コメント

子どもを信頼することは、その大切さはわかっていても、実際に行うことはとてもむずかしいです。何度も失敗を繰り返しながら、「信頼するしかない」という答えにたどりついた石田さんならではの手記で、感銘を受けました。石田さんの手記は、「信頼すれば、子どもは必ず立ち上がる」という教えではありません。そんな「外の常識」は、子どもが立ち上がらないのは親の信頼が足りないからだという誤った見方を生み出します。

 高校を辞めた息子さんは、わかっていても動けない自己否定の日々を送りました。息子さんにとって「好きなこと」は、心を動かす大切な時間だったと思います。否定されたら、生きていけないほどの居場所だったと思います。

(星の会代表 加嶋文哉)