親の手記

ただ…ただ、話を聴きながら一緒に考える

戸田 由美(仮名)

手記

 私は、三人の子どもに恵まれました。その長男は、今34歳です。今から28年前、小学校1年生になったあの頃を思い出します。この子が学校に行けなくなるなんて思いもしませんでした。

 小学1年生の小さな男の子が、朝になると体が動かず、夜になると泣く毎日。母親である私は、学校に行かせることばかり思い、毎日毎日その思いの中で、焦りと不安と怖さしかありませんでした。子どもは、親の私の心の大きな揺れ動く嵐の中で振り回されていた毎日でした。

 その頃、同じ思いの親を探して小さな会を作りました。それが津久見星の会の始まりです。みんなで話をすると心が軽くなる、同じ仲間がいる私の居場所です。

 今は、毎月の例会をする時、若いお母さんの話を聴くたびに思います。時は流れても、我が子が不登校になった時は、今も昔も一緒です。本当にどうしたら良いか分からず、苦しいです。気持ちは充分わかります。私は、昔の思いがよみがえり、ついつい夢中になって聴いています。

 私の子どもたちは、三人とも不登校を経験しましたが、今はそれぞれの道を歩んでいます。「不登校は大丈夫だよ」と言いたい気持ちがありますが、そんなに軽く口に出してはいけないと思い、ただ話を聴きながら一緒に考えています。

 そして、また来月も例会に来てくれることを願いながら、私は会場を開けて待っています。

 令和〇年4月13日、入学式を終えた孫が初めての登校日。大きなランドセルを背負って玄関を出る後ろ姿をみて涙が溢れ出しました。もう何年も前の我が子の姿と重なったのか、学校にこだわって辛かった時を思い出しました。私の心の中のものが噴き出た瞬間です。孫には元気で楽しい日々を送ってほしいと願うばかりです。

コメント

 「不登校は大丈夫」は、誰かに教えてもらうことではなくて、自分でつかむから意味を持ちます。25年近く親の会で、体験を話したり聴いてきた戸田さんだからわかることですね。ランドセルを背負って玄関を出る子どもの後ろ姿に感動できる「大人のまなざし」は、子どもに力を与えます。当たり前はすごいことです!!

(星の会代表 加嶋文哉)